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PDB:2HVY

タンパク質名

H/ACA ボックス リボ核タンパク質複合体

生物種

Pyrococcus furiosus (好熱性古細菌)

生物学的役割

転写後修飾は、tRNA、rRNAなどの機能性RNAが成熟し、機能を発揮するために必要不可欠である。主な転写後修飾にウリジンの異性化反応であるプソイドウリジン化がある。プソイドウリジン化反応は酵素タンパク質単独で触媒される型と、リボ核タンパク質複合体(RNP)に触媒される型の2種類に大別される。H/ACA box RNPは後者の型に属するRNPで核小体低分子RNP(snoRNP)の1ファミリーを形成している。それは、H/ACA boxを持つガイドRNAが基質RNAと相補塩基対を形成することで特異的に認識し、また、タンパク質側で触媒を行うことでプソイドウリジン化反応を進行させる。プソイドウリジン化は機能性RNAに共通する修飾で、rRNAではリボソームの組み立てに重要であることが報告されている。H/ACA box RNPは主にrRNAを基質とする。様々なガイド配列を持つRNPがそれぞれ特定の位置のウリジンを修飾することで成熟したrRNAを生成する。つまり、ガイドRNAの相補塩基対形成が位置依存的な修飾を可能にしている。

立体構造の特徴

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古細菌H/ACA box RNPの結晶構造が2.3Åの分解能で同定された。この構造は基質RNAが結合していない状態のものであり、4つのタンパク質鎖(サブユニット)Cbf5、Nop10、Gar1、L7aeと1つのH/ACA box型ガイドRNAから成る。プソイドウリジン化反応はガイドRNAとの塩基対形成で基質RNAと特異的に結合し、サブユニットCbf5にある触媒活性により進行する。ガイドRNAは単一ヘアピンで直線状の構造をしており、両端のACAモチーフ、k-ターンモチーフでタンパク質と強く結合する。両端の保存されたモチーフで複合体を形成することにより、内部ループであるプソイドウリジン化ポケット領域は基質RNA特異的な相補塩基対を形成することができる。基質が結合した状態をモデル化した結果、基質RNAの標的ウリジンがうまくCbf5の活性部位に近づくことが予想された。加えて、ガイドRNAとは直接接触しないサブユニット、Gar1が基質の取り込みと放出を調節していることも示唆された。今回の結晶構造から、各サブユニット間の接触パターンが判明し、RNA部分による認識、タンパク質部分による触媒というH/ACA型RNAの共通構造が見出された。この構造が真核生物にも共通する一般性があるものなのか、そして、予想された基質結合構造が正しいのか、さらなる研究が期待される。

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タンパク質構造データバンク(PDB)

参考文献

原論文

  • Li, L. Ye, K.; "Crystal structure of an H/ACA box ribonucleoprotein particle"; Nature; (2006) 443:302-307 PubMed:16943774.

その他

著者: 藤田直也


English version:PDB:2HVY