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PDB:1Z6T

タンパク質名

アポトーシス・プロテアーゼ活性因子1/ADP 複合体

生物種

ヒト

生物学的役割

アポトーシスは外部または内部からの刺激の結果によって引き起こされる、細胞が自分自身を殺すプログラム細胞死の過程である。アポトーシスは、細胞内の重要なタンパク質を切断する目的で活性化される必要があるプロテアーゼファミリーに依存し、こうしたプロテアーゼ群はカスパーゼと呼ばれる。普通の細胞状態下ではカスパーゼは不活性体のプロカスパーゼとして存在する。プロカスパーゼが活性型のカスパーゼになるためには、切断される必要がある。活性型のカスパーゼは、大量の活性型カスパーゼを生産する連鎖反応を増幅させる結果となる、より多くのプロカスパーゼを切断する。カスパーゼの活性化は、アダプタータンパク質と呼ばれるタンパク質によって開始される。これは刺激に応じて開始プロカスパーゼに結合し、その凝集化をさせる。凝集が起こると、開始プロカスパーゼはプロテアーゼ活性を示し、凝集内で互いを切断し、さらにカスパーゼの連鎖的な活性化を引き起こす。そのようなアダプタータンパク質のひとつはアポトーシスプロテアーゼ活性化因子1(apoptotic protease-activating factor 1;Apaf-1)である。損傷をおった細胞は、ミトコンドリアから細胞質に電子運搬体のチトクロムcを放出することを通して自らのアポトーシスの引き金を引く。チトクロムcに結合したApaf-1はATP/dATP存在下でアポトソームを形成する。アポトソームは開始カスパーゼであるカスパーゼ9と結合してその活性化を引き起こし、カスパーゼ連鎖反応の引き金を引き、そしてアポトーシスに導く。

立体構造の特徴

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Apaf-1は3つのドメインで構成されている。N末端のカスパーゼ結合ドメイン(N-terminal caspase recruitment domain : CARD)、中央のヌクレオチド結合オリゴマー形成ドメイン(central nucleotide-binding oligomerization domain : NOD)、そしてWD40繰り返しを持つC末端ドメインである。 ここに示した構造はWD40繰り返し部位を除いた、ADPが結合している不活性状態のApaf-1である。 この状態では、CARDドメインは、Apaf-1の他のドメインによって、カスパーゼ9結合部位をふさがれている。ADP分子はApaf-1の中に埋もれており、各ドメインに結合し、それらをまとめることでApaf-1を不活性状態に保持している。Apaf-1へのATPの結合やそれの更なる加水分解は、アポトソームの形成やカスパーゼ9の活性化や結合のために必要とされる立体構造変化を引き起こす。

タンパク質構造データバンク(PDB)

参考文献

原論文

  • Riedl, S.J. Li, W. Chao, Y. Schwarzenbacher, R. Shi, Y.; "Structure of the apoptotic protease-activating factor 1 bound to ADP"; Nature; (2005) 434:926-933 PubMed:15829969.

その他

著者:Ashwini Patil 訳者:野村 幸代


English version:PDB:1Z6T